サナフミのラーニングジャーナル

実践からの学びをまとめています

【茶道】中心を捉える

身体とお道具における中心を意識すると力まない

本日のお稽古にて、茶碗にて抹茶を茶筅(ちゃせん)でシャカシャカ振っていたとき(一般的に最も茶道を代表する行為)、違和感を覚えた。どこか腕に力みを感じる。茶筅を動かしている際、無理をしてその姿勢をキープしているような感覚であった。

なぜなのかと自分の姿を客観的に捉えると、茶碗が自分の身体の中心から少し右側にあった。そのため、上半身をほんの少し右に捻り、左腕を必要以上に伸ばす必要があった。その結果、身体に力みが発生していたのだ。ズレはたかだか10センチくらいだったと思うが、それだけで感覚が変わってくるから不思議だ。日常においてこのような感覚は持ちづらい。

来客の際、お茶をどうぞ、と差し出すとき、どこの位置に置くか意識したことはあるだろうか。コロナの影響で来客やお茶を出す、という行為自体がなくなってしまった今、そんな繊細さを感じなくなってしまったように思える。

人の身体感覚にて、中心は想像以上に大切なものである。「立つ」時にも、重心を中心において、内腿に力を入れて立つと疲れにくく、見た目も美しい。「歩く」際には、自分の身体の中心から前方に一直線の線をイメージして歩くと、上半身がぶれないため余計な動きが生まれず、疲れにくい。これらは、鎌倉時代から続く、小笠原礼法のお稽古をしていた時に教わったことである。

さらに言えば、食事の作法においても、自分の中心を境に、左に配膳されたお皿は左手、右にあるものは右手で取るのが原則である。箸を右手で持っていたとしても、握り込んで右手で器を持つ。和食の時、汁物は右にあり、その器を左手で取ると体を大きく捻ることになり、不自然な動作となる。また、箸は持ちっぱなしではなく、箸置きに置き、汁物をいただいたり、おかずを味わったりすると、よく噛み、食事を味わうことができる。

身体において中心は大切である。中心がズレると余計な力が必要になる。
身も心も真っ直ぐな人間でありたい。